ご声援、ありがとうございました。 |
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ひとつの夢が、終わった。自作マシンにロータリーを積んで「ル・マン」を走ることはできた。その改良のための青写真も、おぼろげながら見えた。だが、ワークスの蓄積した技術や物量の支援を抜きに、その夢を追い続けることはできなかった。オートエクゼとしての直接参加は、ピリオドを打ったのである。 しかし、新しい夢が残った。「ル・マン」を知り尽くしたプロドライバーとしての道だ。自前のマシンを持たずとも、ドライバーとして「ル・マン」に参加することは可能だし、現に大多数のドライバーは、そうして年に1度の「ル・マン」を戦っている。 もう若くはない。だから、ここ一発の速さはない。だが、速さだけでは「ル・マン」は勝てない。そのことを、ここの常連達は十分に理解している。自分の経験を必要とするチームがあれば、そして請われれば、ヘルメットひとつで助っ人に駆けつけるのも、粋な生き方かも知れない。寺田の新しいファイティングスタイルの誕生であった。 パートナーは、2000年から既に3年連続のジョイントを経験しているヴェルテール・レーシングだ。彼らの目標である「ル・マン」でのクラス優勝達成のために、お互いの信頼関係は既に確固たるものになっていた。 結果は、順位をつけるとすればクラス3番手/総合29位の235周。トップの70%に満たない周回のため、公式には完走と認められなかった。残念といえば、そう。だが、一喜一憂する必要もない。当然のことだが、「ル・マン」は来年もある。生涯現役を思えば、残された時間は、まだまだ長い。 |
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