予選一日目、クラス5位の好位置につける。

 
6月13日、「ル・マン」公式予選一日目が行われ、カーNo.30WRプジョーLMP寺田陽次郎組は3分49秒986を記録し、クラス5位(総合24位)の好ポジションを獲得した。

穏やかな晴天の中、公式予選一日目が「ル・マン」サルト・サーキットで始まった。最初はS.ダウディ選手がステアリングを握って、全車一番最初にコース・イン。ダスティなコースを慎重に走りながら戻ってきた彼は、若干リアのロールが多いとコメント。寺田やエンジニアの指示でショックアブソーバーの調整を行った後に再びコース・イン。すぐに3分52秒876のクラストップタイムを記録した。

その後、寺田に交代。しかし、ここでトラブルが発生した。ユーノディエールにある第二シケインの入り口でサスペンショントラブルからタイヤがカウル接触し、スモークを出しながら戻ってくる寺田の姿がモニターに映し出されたのだ。
最小限に被害を食い止めて戻ってきた車両をメカニックが素早くピットに入れ、修理にとりかかった。破損した部分を手際よく交換していくWRのメカニック達は、1時間のインターバルの間に修理を終えた。

2回目の予選が始まった。日が暮れ始めるトワイライトタイムが「ル・マン」ではアタック・タイムとなる。各車が、よりハイグリップなQタイヤを装着し、次々にコース・イン。明日から崩れるとの天気予報のため、どのチームもポジション争いに必死である。

WRチームも修理を終え、再びS.ダウディ選手がステアリングを握り、ミシュランから支給されたQタイヤよりも更にグリップの良い「ジョーカー」といわれるタイヤを装着してアタックを試みた。「切り札」という意味のスペシャル・タイヤで製法が特殊だとタイヤマンが自信あり気にウインクしながら寺田に説明をしていた。

イエローフラッグやスロー走行の車両をかいくぐりながらのアタックが続く中、S.ダウディ選手が3分49秒986でタイムを短縮。しかし、その頃にはとっぷりと日が暮れてしまった。

チームはこれ以上のアタックは無意味であるとして、ドライバーの夜間クオリファイなどのプログラムをこなす判断をした。

まずは新人のJ−R.ド・フルヌー選手が夜間走行3周とクオリファイを済ませる。次に再度、寺田がステアリングを握った。

寺田がコースインした時には残り15分を切っており、しかも至る所でイエローフラッグが振られるというコンディションの中、夜間走行3周のクオリファイを何とか済ませることができた。
WRチームは、若干プログラムを残したままであるが、好タイムと好ポジションを獲得できたことで、明日は決勝のシミュレートのプログラムが中心となる。

天気が下り坂で雨との情報であるが、ミシュランのサポートによって満足できるタイヤ供給が得られるのでチームとしては、それほど心配していない様子である。

明日14日(木)現地19:00から予選二日目が行われる。

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