AutoExe LMP-X、いよいよシェイクダウンへ!

私たちの「ル・マン」プロジェクトも、いよいよ本格的に忙しくなってきました。エントリーのための書類づくりやマシンの輸送手続という基本的なことから、現地採用のヘルパーを含めたスタッフの確定、テストや移動のスケジュール、各種ファシリティの確保など、「ル・マン」を走るためには、さまざまな雑用がついて回るのです。しかし、何と言っても一番大きな仕事は、マシンを完成させること。昨年の経験を生かして大改造中のLMP-Xを、一刻も早く走れる状態にしなければなりせん。しっかりと熟成するためには、十分なテスト期間が欠かせないのです。その意味で、純日本人チームでの開発体制は大成功でした。ご覧ください、一段と流麗なスタイリングの新カウルも既に完成。シェイクダウンに向けての準備は着々と進んでいます。Next Reportは、そのシェイクダウンの詳細の予定です。

■サイドダムとNACAダクト

フロントタイヤ後方に大きくえぐられたサイドダムは、99モデルから大きく変更された部分の一つです。フロントタイヤによって発生する空気の乱れを、ボディ下面に影響させないようにここから排出させます。
■リアウィングとテール

最高速と操縦安定性の高度なバランスに関係するのがこの部分。99モデルと比べるとロングテール化されています。リアカウル表面の空気流とウィングの上下に流れる空気を最適化して、テール部分の整流効果を高めるのがポイント。ウィングの高さは、何回ものテストを繰り返して決定されます。
■リアウィングステー

ウィングで発生する約1500kgものダウンフォースを受け止める頑強かつ軽量なステーは、トランスミッションに固定されています。レーシングカーでは、トランスミッションも重要な強度部材です。
また、この写真では、リアのディフューザーが見えていますが、この大きさや角度はレギュレーションで規制されています。ボディ下面の空気を乱すことなく後方に排出し、ベンチュリー効果によってボディを路面に吸いつかせるのが仕事です。
■シャシー

新しく組みなおしたメインフレームに、フラットボトム、カーボン製のカウル、そして補器類などを取り付けた状態のAutoExe LMP-X。
細かな調整はこれからですが、かなりの重量軽減が実現できそうです。
■シートポジション

長時間にわたるレーシング走行では、シート位置の良否が非常に重要な要素となってきます。ハンドルの位置やミラーの見やすさなど細かく微調整します。
また、300km/h以上ではヘルメットにも整流効果が要求されます。寺田のヘルメットにはウェイビングと小さなリップが着いています。ほんの数ミリでヘルメットが浮き上がったり、押さえつけられたりするので、「ル・マン」を走るドライバーは微調整のための小さな部品を何種類も持っています。
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