AutoExe LMP-X、シェイクダウン。

お約束のシェイクダウンリポートです。結果的にはすべて順調。ノートラブルで
テストプログラムをこなすことができました。後は、速さと信頼性の向上を目指
して地道なセットアップを詰めるのみ。車両はテストの直後、大量のパーツとエ
クイップメントと共にフランスへ旅立っていきました。

ドライバーには、今回新たに金石勝智選手が加わりました。全日本選手権フォミュラニッポンおよびGTに参加する中堅ドライバーです。堅実ながら時折見せるアグレッシブなドライビングに定評があり、今年は、鈴木亜久里率いるAUTOBACS RACING TEAM AGURIよりフォーミュラニッポン、TAKATA童夢より全日本GT選手権に参戦しています。経験豊富なテクニックで初のル・マン24時間レースをねじ伏せてくれると期待が持てます。
左から金石選手、寺田選手、カイチ選手。
真っ白にカラーリングされたボディにスポンサーロゴを貼り付けただけですが、とても精悍な感じになりました。
「ル・マン」カーの特徴であるボディーの低さとテールエンドの流れるようなフォルムは、今回のテストでも最高速アップを目的としたデザイン変更の方向性が正しかったことを感じされられました。具体的な成果は今後のセットアップで決まります。
今回初めてこの車両をドライブした金石選手は、「非常に乗りやすく、ドライバビリティの良い素直な車両だ」とコメント。「ル・マンは初めてだけれども長時間運転しても疲れなさそうだ」とファーストインプレッションを語っていました。
リアウィングには空気抵抗を増やして最高速を抑える目的で主催者が設定した15mmのガーニーと呼ばれるパーツが装着されました。確かにその部分での抵抗は増えていますが、全体的なバランスを調整することで克服できそうです。テスト結果を踏まえて、フロントのルーバーやその他の空力パーツを「ル・マン」までに揃えていくこととなります。
オール日本人スタッフのピット作業は小気味良く、意思の疎通もアイコンタクトでOKなほどチームワークが向上しています。彼らにとっても最初のテストがうまくいったことでテスト後には笑顔が見られました。
レスダウンフォース仕様となったので、コーナーリング時の挙動はLMP99よりもナーバスになりましたが、ストレートでは空気抵抗が減少したことによりスピードの伸びが感じられました。
細かな調整はこれからですが、最高速アップが期待できそうです。

と、まさに期待に満ちたNew Carだったのですが、前途には思いもしないドラマが待っていたのです。

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