ル・マンの空は、ようやく夕方の景色に変わってきた。序盤のアクシデントによるロス以降、「am/pmポルシェC41」は、非常に順調に走行している。 45位まで落とした順位は、午後10:00の時点で、31位にまで回復、トップとの差は23周。気温、路面温度ともに徐々に低下し、ドライバーにとっても各マシンにとっても負担が軽くなってきた。 寺田は、丁寧に淡々と周回を重ねる。18:40頃、ECUのバンドがまた外れ、またガタつきだした。 ワイヤリングへのダメージを防止するため、寺田はイレギュラーなピットイン。応急処置を施してオリビエに交代した。 オリビエは、あたかも序盤の悔しさをステアリングワークにぶつけているかのような気迫で先行車を追い上げた。19:30頃、3'56"299、20:00頃、3'55"768のベストラップを次々と塗り替えた。 メカニカルトラブルは全くない。 20:30頃、フランクがドライビング中にクレマーポルシェと軽い接触を起こし、その無線の知らせでピットは一瞬に緊迫したが、レポート通りに軽い接触であったため、走行は続行。 着実に順位を上げる仕事は休むことなく続けられた。 2台のBMWワークスプロトタイプがリタイヤし、名門ヨーストが走らせるLMP1ポルシェも姿を消した。 |