メンバースの皆様、こんにちは。
今回は先日ディーゼル4WD車用を新発売したCX-5(KF)用ローダウンスプリングのセッティングについてレポートします。
車高設定は、輪荷重とバネ定数の関係なので、机上で算出できますが、乗り味は人がどう感じるのか?ですので、計算だけではわかりません。
実車で前後スプリングの組み合わせを変えたりして、人の感性評価を行い、スペックを決定します。
ここで重要なのが「バネ定数」と「ストローク量」、「バンプストッパー」の関係性です。
最初にバネ定数アップの説明です。ローダウンすると、重心位置以上にロールの中心点が下がるため、「重心⇔ロールの中心点」の距離が長くなります。すると同じ遠心力(緑矢印)が加わった場合、ロールさせようとする力は、その距離に比例して大きくなり、ロール量も大きくなってしまいます。
ですので、そのロールを抑えるために、バネ定数をアップさせる必要がある・・・というわけです。ダウン量が大きいほど、ロールさせようとする力は大きくなるので、その分バネ定数をアップしなければ余計にロールしてしまう・・ということになります。
次に、「ストローク量」と「バンプストッパー」の関係です。
ストローク量は、「①バネだけが受け持つ領域」と「②バネ+バンプストッパーの両方が受け持つ領域」があります。ストロークが進むことで、①→②に移行しますが、その時にスムースに移行できるか、唐突になるか・・・が、乗り心地に影響を与えます。
ですから、必要以上にバネ定数をアップしたり、極端なローダウンはバンプラバーをカットしなければならず、乗り心地的に不利と言えるかもしれません。
※上図の数値は、参考値です。
ちなみに先代KE型でも、同じ考え方で開発しています。バネ定数はディーゼル4WDで120%程度。全長の短いバウンドバンパー(バンプストッパー)に交換し、ストローク量を確保、車高30~35mmダウンとしました。
KFのディーゼル4WD車用の場合、量産ダンパーの減衰力や車高、車重とのバランス、そして走行テストのフィーリングを総合的に判断し、バネ定数は110%未満に。バンプストッパーを交換することなく乗り心地を確保し、キビキビとしたハンドリングを得られる車高30mmダウンに決定しました。
ディーゼル2WD車、ガソリン(2WD・4WD)車のローダウンスプリング、タワーバーなどのボディ補強パーツは5月発売を予定しています。また、吸気系など先代と共通できたパーツについては、すでにウェブサイトにて案内しております。
引続き当ブログにて開発進捗情報をレポートしていきますので、ご期待ください!
Posted by A.Asanuma
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