■1時間目

スタートドライバーは、シルバンが務めました。
ラジエーターの不具合のため、ピットスタートとなってしまいましたが、問題なく走行してます。
ピットアウトしてからピットに入るまでをスティントという単位で表現しますが、私たちは1スティント12周ぐらい、昼の間は1スティント約1時間ほど走行して次のドライバーに交代します。

■2時間目

シルバンからのコメントでは車はOK。
ただコースの状態がクラッシュした車の破片などでかなり良くないとのこと。
先は長いので、ラインを外さないように心がけて走ります。

■3時間目

今、私がドライブしてますが、シルバンからのコメントにあった通り、かなり路面が悪いです。
タイヤバーストやコースアウトする車が続出しているので安全マージンをとって走行しています。
メカニックのみんなが安心して見ていられるように頑張らなくっちゃあ!

■4時間目

ドライブを終えて車から降りたところです。
車は順調です。ただし、陽射しが強く、かなり暑く厳しいドライビングです。
エンジニアに車の様子を伝えた後、すぐにドクターとナースがケアしてくれます。

■7時間目

最高速がちょっと伸びないですが安定して走っています。
日没が近づいて、車には良い時間帯に入るので
これからどんどん順位を上げていきます。
この頃になるとレースの展開も一段落。
しかし、夜の12時のヤマが待っています。

■9時間目

ピットインしてリシャールと交代。
少し前から燃料噴射の圧力の具合が悪く高速で息つきしていたので、ECUと燃料ポンプを交換することになりました。
長丁場の「ル・マン」では、何とかなるだろうという甘い期待は禁物です。
常に最悪の事態を想定した冷静な判断が欠かせません。

■11時間目

燃料ポンプのトラブルに続き、スターターにもトラブルが発生してしまいました。
メカニックたちの懸命の交換作業の甲斐あってシルバンがコースに戻ったのは02:40でした。

■13時間目

「ル・マン」を走るドライバーのすべてが待ちわびた夜明けの時間です。
私自身も「ル・マンの朝日」を見るまでには何年もかかっています。
この時間に同じクラスのLMP675は、3台しかコース上に残っていません。

■14時間目

WRプジョーは燃料系のトラブルも一応解決して順調に走行しています。

■15時間目

さあ、ドライバー交代だ。
ナースに筋肉をアイシングしてもらって、さっさと寝ようっと。

カメラさん、日清カップヌードルのトレーナー着てるね。
寝る前にカップヌードル食べようか。

■16時間目

ただいま、ドライバーキャビンで爆睡中です。
私も若い頃は車の様子が心配で、よく眠れなかったけど、今は完全にリフレッシュできます。

17時間目

再び「ル・マン」のヤマ場に差し掛かってきました。
シルバンの次は私がドライブします。
かなりの車両がエンジン、タイヤなどのトラブルを抱えたり、クラッシュに泣いています。
前の車を追い越すのも追い越されるのもラインを外すには慎重にしなければなりません。

■20時間目

リシャールが運転していますが、かなりコースのコンディションが良くなく、ペースを落とさざるをえないといっています。
我々は、ゴール時点でトップの周回数の70%をクリアしなければなりません。現在それを計算してスティントを組み立てています。

■21時間目

リシャールお疲れ様でした。
最後の魔の時間帯に近づいてきました。
残り3時間。メカニック達は、程よい緊張感を保ちつつ、 的確に仕事をこなしてくれてます。

■22時間目

WRプジョーは順調に走行を重ねています。
現在、30番手を走行しています。
トップの70%以上走行もクリアできそうです。
そして、私の最後のスティントです。
車も好調です。後2時間ですが、まだ何が起こるかわかりません。
気を抜けない2時間が始まりました。

■24時間目

無事に完走することができました。
暫定の順位は総合27位、クラス3位でした。

今日から、来年の「ル・マン」が始まります。

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