皆様こんにちは。このたびAutoExeスーパーバイザーに就任いたしました貴島孝雄です。
マツダ(株)時代には大変お世話になりました。この場をお借りして心より御礼申し上げます。
皆様方のお蔭によりまして、自動車技術者として長年のマツダ勤務を果たすことができました。その大きなエネルギーとなったものは皆様方からの貴重なご意見、ご要望であり、そのご期待に添いたいとの思いがいつも私の頭にありました。技術者の使命を考えたとき、クルマという膨大な開発費や歳月、人員のかかる商品は、如何に皆様の共感とご支持を頂けるかが最大の課題です。特にスポーツカーは多くの先人の足跡を超え、どこを差別化し何に存在意義を求めるか、それは製品の価値と寿命を左右するきわめて重要なポイントでした。
それゆえ長年、私はさまざまな場で皆様と触れ合いつつ、自身の信じる自動車工学理論、ものづくりの信念を貫いてきました。RX-7やロードスターにおいては3代に渡り操縦安定性の創り込みに持てる力の限りを注ぎ、技術者人生のすべてをスポーツカーの進化に捧げてきたと考えております。
これからは、AutoExeを通じて、これまで以上に皆様方とのコミュニケーションを深めながら、操縦性、安定性、乗り心地など動的な質感を感性へ結実させる人馬一体、“Fun to Tune”の実現に力を尽くしたいと存じます。
また、当ホームページにおいて、私が今まで培ってきた自動車工学理論やクルマへのさまざまな想いをご紹介するコラムなどもお披露目させて頂く予定です。
自動車工学の理論は世界中の技術者の努力で完成の域に達していると言っても過言ではありません。しかしながら、人の体感や気分に依存する情報伝達領域、つまり計測器や数値では捉えきれない動的感性工学は始まったばかりの学問です。もちろん、世界をみると伝統ある匠の力により感性豊かなクルマは多く存在します。しかしながら、それらの車は価格が高くなかなか手に入れることは困難です。その一方、万人が買える量産車は価格や最大公約数に対する制約上、その域までには達していません。しかし、その制約を乗り越えて、より自分の感性レベルへと導くことは、クルマを愛する私たち一人ひとりにとって、最上の歓びとなると思います。私はライフワークとしての動的感性工学を軸に、サスペンション、エンジン、シートなどAutoExe製品へのアドバイスを通じて、既存の量産車では飽き足らない感度の高いマツダ車ユーザー皆様のご期待にお応えしたい所存です。
皆様のカーライフが、ますます感性豊かで上質なものとなることを願って、ご挨拶に代えさせて頂きます。