例題として、以下の条件で試算してみることにする。ほぼアクセラクラスのガソリンエンジン車で、平坦路を40km/hで定速走行した場合のシュミレーションだ。

・転がり抵抗係数=0.015(一般的なアスファルト舗装) ・車両重量=1,345kg
・乗員重量=55kg  ・Cd値=0.33 ・空気密度=[1.2kg/m3] ・前面投影面積=2.2m2 ・走行速度=40,000m/3,600s (40km/h)
・勾配(θ)=0 ・車の加速度=0m/s2
・等価慣性重量(エンジンから駆動輪までを加速するための力を重量に換算したもの。2WDの場合は車重の3%程度)=40kg

先ずは、原動機系の効率が未知のため、とりあえず燃料消費率を20km/Lと設定して、その効率を求めることにする。1Lで20km走ったのだから、原動機系の効率= 20,000 N/33,000,000だ。

損失エネルギー (J)=N x 20,000(m) =供給エネルギー(J)=33,000,000(J/L)x1L x原動機系の効率

ひたすらに計算を続ければ、答えは15.73%と出る。意外に低いと驚く向きもあろうが、駆動系の効率も含んでいるから、運転状況でも変わるが、ガソリンエンジン車では、ほぼこんなレベルである。それも、ほとんどが基本設計で決まるから、本格的なレース仕様にでもしない限り、吸排気系のチューニング程度では、良くも悪くも変化する度合は少ない。