NA & FD用 新サス・キットまもなく(続編)
引き続き、ロードスター(NA)& RX-7(FD)用 新サス・キットの進捗をお伝えします。はじめに、前回の進捗情報を少しだけ振り返って、サスペンションの開発プロセスをみてみます。
①バネの仕様を決める。(車高・スポーツ度合いの決定)
②独自の減衰比に基づいて「減衰力(N)」を決める。
③感性評価によって、乗り味を創り込む。
と、ざっくりした工程ですが、実は②と③の間にもう1工程あります。
「②」の減衰力とは、ダンパーの「伸び側」と「縮み側」を合わせた「総減衰力」のこと。ですから、感性評価に移る前に、総減衰力を「伸び側」と「縮み側」に振り分けなければなりません。その振り分け方の基準は、以下の通りです。
・最初に「縮み側の減衰力」を決めます。決め方は、量産比90%を基準にします。量産より弱めるのは、バネ定数をアップさせた上に、減衰力を量産同等以上にすると、突き上げが感じられるためです。
・次に、「伸び側の減衰力」を決めます。
既に、減衰比に基づいて総減衰力は決めてますから、以下のような単純計算で伸び側の減衰力を算出します。
「伸び側の減衰力」=「総減衰力」ー「縮み側の減衰力」
総減衰力は同じですので、減衰比を変えることなく、「伸び/縮み」の配分を決められます。この後に感性評価で乗り味を創り込み、最終的な仕様決定に至ります。ですから、開発に費やす時間のほとんどは、感性評価だといってもいいかもしれません。
表に、NAとFDの最終仕様をまとめました。数値は、机上の計算で仕様を算出し、感性評価のプロセスを経た結果だと思ってください。因みに、グラフは、単純比較しやすいように、ピストンスピード0.05m/s毎の減衰力をプロットしたもので実際は滑らかな曲線です。
「絶版スポーツカーアップデートプログラム」の目玉となる量産形状のサスペンションキットは、すでに開発を終え、現在量産中です。共に3月上旬の発売予定。まもなくウェブサイトにてご案内できると思います。ご期待ください!!
Posted by A.Asanuma