新ボディ補強パーツ「モーションコントロールビーム」、開発進捗情報①

運転を積極的に愉しむためには、ボディ剛性(以下剛性)は高ければ高いほうが良い・・・と私たちは考えています。
剛性が低いとサスペンションやタイヤの性能を発揮できないので、結果的に運転が楽しいとか、気持ち良いと感じられないからです。(詳しくはコチラ)

ですから、ボディのウィークポイントを探っては、補強パーツを新設し完璧な剛体を造り上げてきたつもりです。

車は、路面からの入力により、常に捻じれながら旋回します。「捻じれる」・・・というとイメージしづらいかもしれませんが、例えば左カーブ進入時、最も荷重が増えるのは右前輪です。逆に、最も荷重が減るのは、その対角線上にある左後輪です。
そのまま、クリッピングポイントを過ぎて、アクセルを踏み込み加速状態になれば、今度は、右後輪の荷重が増し、左前輪の荷重が減っていきます。

つまり、減速状態→加速状態に移行することで、対角線上の荷重が、増えたり、減ったり、はたまた対角線も変わるので、ボディが捻じれてしまうのです。S字コーナーだと特に顕著です。

その捻じれを受け止めるボディは、部位によって形状が異なるため、剛性も変わり、捻じれ度合いも異なります。
キャビン部は、上にルーフ、下にはフロア&フレーム、そしてピラーで囲まれたモノコック構造(箱状)ですから、捻じれに対して比較的有利な構造です。

しかし、Aピラーよりも前方やCピラーよりも後方は、クロスメンバーなどで構成されモノコック構造ではありません。しかも、モノコックの端~ボディ末端は、サスペンションの装着部位も兼ねていますから、モノコックよりも捻じれやすいのです。

今回、その末端部の捻じれを抑えるべく、新たなボディパーツを開発することにしました。
具体的には、以前設定していた「フレームエンドブレース」をアップデートしようと考えたわけです。
フレームエンドブレースは、高剛性スチール製フレームでボディ末端部を左右で結合します。タワーバー、ロアアームバー、フロアクロスバーなどで剛性アップを施した後に装着すると、完全な剛体になった・・・と感じるほど効果的だったパーツです。

しかし、サスやタイヤで吸収しきれなかった微振動が、ドライバーに伝わりやすくなるきらいがありました。特に、最新のマツダ車は、当時の車よりも剛性が高く、その傾向が顕著に出てしまいます。

完全な剛体を目指した場合、末端部の剛性アップは不可欠。しかし、ストリートベストを謳う上で、この微振動を抑えられないか?・・・と考えたわけです。
熟慮の結果トライしたのは、フレームエンドブレースのフレーム部を、超高減衰ダンパーに変更し、ギリギリのところで微振動を吸収する構造です。

剛性アップが狙いですので、どこまで効かすのか・・・がポイント。だから、剛性が異なる前後末端部に対し、減衰力を高くしたり、低くしたりして、バランス点を探ります。

第1弾は、NDロードスターを予定。ちなみに、先日発売の「HYPER REV ロードスター号」に情報が掲載されているので、ご興味のある方は、書店へ!
次回はダンパーの構造について、掘り下げる予定です。
お楽しみにお待ちください。

Posted by A.Asanuma