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Brembo Brake System

ブレンボ社製システムをMPV/CX-7用に独自のアレンジ。

究極のブレーキチューニングとしてキャリパーコンバートという手法がある。大型マルチポット(対向4、6ポットが主流、中には12ポットも!)キャリパーに大径ローターを組み合わせてストッピングパワーを強化する算段だ。私達としても魅力を感じるジャンルではあったが、どうしても製品化に踏み切れない理由があった。何故か?先ずは、私達の「こだわり」として、その心配の種を紹介しておこう。

ブレーキシステムの作動原理をイメージして欲しい。1.ブレーキペダルを介した踏力がマスターシリンダーに油圧を発生させる。2.キャリパーピストンに伝達された油圧がパッドをローターに押し付ける。3.ハブを介して同軸上に締結されたローターがホイールの回転を規制する。…というのが主要なメカニズムである。お気づきだろか。現代の車では、マスターバックなどの補助装置まで付いているが、ブレーキとは、本質的に、人間の足の力を車の運動エネルギーに対抗させるための「倍力装置」なのである。
蛇足を承知で付け加えれば、1と3の倍力効果は「テコの原理」によるもの。出力は支持点から入力点までの距離に比例する。2は懐かしい「パスカルの法則」の応用。密閉された液体の単位面積当たりの圧力は、すべての部分に均等にかかるという原理だ。キャリパーのピストン径を増大させると、(面積だから)その2乗に比例して、ストッピングパワーが強まるのだ。で、手っ取り早くブレーキ力を上げる手段として、キャリパーコンバートは極めて有効なのである。多くの場合は、ローターの大径化との併用で、つまり2と3の倍力効果を増強して、ブレーキの効きを強めようというわけだ。

では、何が問題なのか?何故、私たちがこの手法の採用に躊躇したのか?正直に告白すれば、それはマーケティングの問題である。キャリパーピストンやローターを大径化すれば、その効果は歴然と現われる。だから、可能な限り大径化した方が商品としては分かりやすくなる。だが、実際は、無原則な大径化には弊害がある。そのことを思い悩んだのである。
その弊害は、大別して2つある。先ずは、ブレーキが効きすぎてしまうことだ。倍力効果は「ピストンの面積比」×「ローター径比」で決まるから、両方を大きくすれば過剰なストッピングパワーが生じるのは想像に難くない。ABSや前後のバランス調整が標準の時代とは言え、人間の感覚を超えた倍力効果が扱いにくいのは当然である。容易に、かつ頻繁にABSの作動領域に突入するようでは、スポーツドライビングにとっては逆効果なのだ。
もう1つの弊害は、ペダルストロークが増加する問題。ブレーキシステム全体の油量は不変だから、マスターシリンダー径を変更せずにキャリパーのピストン面積を広げると、それに比例してマスター側のストローク(ペダルの踏み込み量)を増やさねばならなくなる。つまり、コントロール性の低下が発現するのである。

で、私達はこれらの問題点をどのようにクリアして製品化に至ったか?答えは、ある意味で簡単だ。見掛けのスペック競争を回避して、倍力効果を適正な範囲に留め、思いのままに操れるブレーキを目指したのである。私達のお客様なら、きっと、そのことの正当性を理解してくださるだろうと、私達の「こだわり」を貫く決心をしたのだ。
具体的には、先ず、ブレーキの効きすぎについては、キャリパーを純正の片持ち2ポットから対向4ポットにグレードアップしつつも、ピストン総面積を量産比約160%に抑えた。またローターについても、従来の市販キットでは異例とも言える量産品とほぼ同径の320×28mmサイズを選択した。
そして、ストローク増加への対策としては、ブレーキ作動時にシステム各部で生じている作動ロスの低減を図った。例えば、キャリパーはケースの剛性を高めると共に横方向の振れをも抑制した。ローターについては、専用設計したベルハウジングにフローティングマウントした。また、ブレーキラインにテフロン製を採用するなど、各部の高剛性化によって、量産車で許容されている作動ロスを低減し、マスター側ストローク量の幾何学的増加を相殺したのである。

かくして私達のBremboプロジェクトは完成した。重量級のMPV/CX-7だからこそ、止まる性能は強化したかった。そして、減速Gの緻密なコントロールを大切にした。このプロジェクトを通じて私たちが狙ったのは、まさしく「運転を愉しむための、信頼性に秀でたスポーツブレーキシステム」なのである。派手な大径ブレーキシステムに比べるとスペック的な変化は極少だが、それは、私たちの「こだわり」の証。過度に効きすぎない制動力こそが、AutoExe流アレンジのアドバンテージなのだ。


■Brembo社製対向4POTキャリパー

■ラジアルマウント方式
量産の片持ち式に比べてケース剛性を高めた対向式。MPV/CX-7の量産ブレーキシステムとのマッチングを最優先した結果、同社製で最もコンパクトな仕様を選択した。ブレーキパットの面圧を均一化する異型4ポット(φ36/φ40)などの細部の仕様も怠りが無い。また、真紅に塗装されたボディによる視覚的なパフォーマンスも見逃せない。ブレーキパッドはフェラーリ、マセラッティといったイタリア製スーパースポーツモデルにも純正採用され定評のフェロード社製HP1000を標準装備。コントローラブルで確かな効き味だ。 キャリパーとハブキャリアのジョイントを、一般的なアキシャルマウント(アクスル軸と平行方向にボルトを入れて固定)から、剛性面で有利な “ラジアルマウント” (アクスル軸と垂直にボルトを入れて固定)に変更することで横方向の振れを抑制する。ブラケットはAutoExe専用設計品。材質には、高強度を誇るSCM435(クロームモリブデン鋼)を採用(通常は軽合金を使用するケースが多い)。さらには、接合面積を考慮したデザインでフルマシニング加工。信頼性を高めた仕様としている。


■Brembo社製フローティングディスクローター(AutoExe製ベルハウジングを採用)
量産品同等の320×28サイズのディスクローターをAutoExe専用設計のベルハウジングにフローティングマウントした2ピースタイプ。ローターには冷却性能に寄与する8グルーブのベンチレーションやパッド表面を整えるクリーニングスリットを装備。オリジナルベルハウジングはA7075超々ジュラルミンのフルマシニング加工で製作され、表面は熱や腐食から表面を保護する無電解ニッケルメッキが施される。
※フローティングマウントとはその名の通りローター本体を固定せず、フリーにすることによりローターの条件に左右されない面圧を確保できる機構。通常はバックラッシュによる作動音が発生するためストリートでは不向きとされ、主にコンペティションシーンでの使用に限られてきた。ブレンボ社は独自のテンションスプリングを装備。プリテンションを予め持たすことでバックラッシュを常にゼロに保ち、作動音を抑制している。

 

<商品適合表>