予選1日目

第一セッション
車の全体的なバランスを見るために最初にドライブしました。つい先ほどまで公道であったコースは路面にまだダストが残っていて、いつも通りにこの時間帯はグリップが良くありませんでした。
40分程走行して得られた感触は、リアのダウンフォースが足りない感じがありました。高速でオーバステアになってしまうのです。ピットインしてリアを調整したら安定はしましたが、まだ全開でいける程のバランスが取れていません。
私がある程度セッティングした後にシルバンが運転。しかし、ダンロップシケイン入口でコースアウト。大きなダメージは無いのですがタイムアウトとなってしまいました。
■ドライバー
今回36号車を運転するのは、私とフランス人であるシルバン・ブーレとリシャール・バランドラスです。
彼らは主にGTカーによるレースを中心に活躍している選手です。
写真左が「ル・マン」5回目のとってもフランクなシルバンと「ル・マン」3回目の誠実な好男子のリシャールです。二人とも車に優しいドライブが出来るドライバーです。
■ディスカッション
ドライブを終えたら直ぐにエンジニアと車の挙動についてディスカッションを行います。
コンピューターのデータでは読み取れない微妙なフィーリングを感覚が「生きている」うちに正確にエンジニアに伝えることが、車を早く仕上げるコツです。
■コクピット
シンプルかつ機能的にコンパクトにまとめられたコクピットだなと最初に座ったときに感じました。
エンジニアのアイディアで必要なものに絞って配置されています。
一般車もそうなのですが、やはり視認性と正確に数値が読めることが大事だと思います。
市販のメーターをゴテゴテ追加するより、レーシングカーの集中メーターみたいなものが一般的になれば良いのにと思いました。
■第2セッション
第一セッションでのコースアウトのダメージ修復に時間がかかり、第二セッション走行は約20分遅れてリシャールがコースイン。彼の夜間走行義務周回数を終えた後、私が再びステアリングを握りました。最高速が4月のプレリミナリー・プラクティスより10km/hほど遅く、ECUのマッピングデータのアクセル開度とガソリン噴射量のバランスを調整してみました。エンジンフィーリングが向上し、タイムも4分07秒572と予選基準タイムをなんとかクリアさせることが出来ました。
明日は更なるタイムアップを目指して、車を煮詰めていきたいと思います。ご声援御願い申し上げます。
■Mr&Msヴェルテール
チームを切り盛りするのが、この写真の夫妻。
左がアシスタント・マネージャーのラシェル・ヴェルテール夫人、右がチーム代表のジェラル・ヴェルテール氏です。
ラシェルはとっても気の付く優しいお姉さんといった感じの若々しいマダム。ジェラルは普段プジョーのデザイン総責任者を務めるビジネスマンタイプの方です。
彼らも私同様に「ル・マン」に魅せられた人なのです。
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